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介護離職の現状と会社でやるべきこと

2020年02月20日 ワークスタイル

近年東京を中心に都市部へ労働人口が集中し、賃貸オフィスも多くなってきています。労働人口は増えているものの、東京などの都会で従業員が介護を理由に離職してしまう人が増えています。これを介護離職といい、人材不足が叫ばれる昨今、大きな問題となっています。

少子高齢化が進み、要介護者に対して介護施設の入居可能者数が少ないことなども原因の一つです。介護や介助を必要とする高齢者の人数に対して、介護・介助をする人間の数が不足しており、施設への入居も順番待ちですぐに入居することはできないことも多くあります。これは東京のような都会でも地方でも状況は変わらず、介護を分担できる家族がいない場合すべてを一人で抱え込むこととなり、結果として離職せざるを得ない状況となってしまうのです。

介護離職の現状

総務省の統計によると、2016年~17年にわたる1年間で介護を理由に離職した人数は9万9千人にも上るという調査結果が出ています。厚生労働省の調査では、この2017年の介護離職者数は2006年の2倍にも上るとされていて、10年間で大幅に離職者数が増えたことが分かります。2017年の9万9千人は同年の離職者数の約1.8%を占めており、非正規労働者よりも正規労働者の離職率が高くなるなど、大きな変遷を見せています。

また、これらの離職者数のうち75%が女性であったことからも、女性の社会進出を妨げるといった問題もあります。
こうした調査結果を踏まえ、政府も介護離職を減少させるための政策をスタートさせました。具体例としては、介護の受け皿を1.3倍に拡大したり、仕事との両立ができるよう働き方の改革を図るなどです。

そもそも労働者には育児介護休業法に基づき、介護休暇や休業を取得する権利があります。この権利を行使することで一定期間の休暇・休業は可能ですが、制度自体が十分に活用されているかというとそうとは言い難い現状もあります。これは休暇・休業を取得する労働者に周囲や会社へ迷惑をかけないようにという意識が働いているためと考えられます。

また、現実問題として休暇などの制度を利用しても仕事と介護の両立が難しかったということもあります。これは介護を必要とする家族のいる従業員の年齢層が40~50代前後の人が多いことも原因の一つと考えられています。この年代は3人に1人程度の割合で役職に就いており、不定期に休むことで業務負担が大きくなるという考えがあるためです。

実際問題として、2017年の調査結果では介護をしている労働者の約90%が、介護休業や短時間勤務制度などの制度を利用していないという結果が出ています。制度を利用せず働き続けることで、結果として介護離職に繋がってしまうこともあるのです。

国の取り組み

介護離職への国の取り組み

離職者数を減らすために国が推進しているのは何も受け皿の拡大などだけではありません。法制面において、いくつかの法律が定められています。

介護休業法

介護休業法は、要介護状態にある家族の世話をするために休業しても良いとする法律で、対象家族1人について通算で93日まで休むことができます。これは3回に分けて取得することができる便利な制度です。

介護休暇法

1年間に1人につき5日まで休暇を取ることができるもので、2人ならば10日取ることができます。
この休業対象者と休暇対象者にはいくつかの違いがあります。休業対象者の場合は、同一の事業主に継続して1年以上雇用されている場合で、休業取得日から数えて93日後から6か月後に雇用関係が終了しないことが条件となっています。つまり、雇用期間が1年未満だったり、日雇い労働者、あるいは93日以内に雇用関係が終了する場合は対象外になります。これに対し休暇対象者は雇用期間が6か月以上の全従業員であり、時間単位、あるいは半日単位の休暇を取ることができます。こちらも日雇いや雇用期間が6か月未満の労働者は対象外となります。

また、雇用保険の観点からのサポートも行っています。

介護休業給付金制度

雇用保険に加入し、復職を前提としているといった一定の条件を満たしていれば給付金の受給が可能となる制度です。
給付の対象となる期間は家族1人につき通算で93日までといった上限はあるものの、休業前の日割り賃金の67%分を受け取ることができます。ただし、会社から給与支払いがあった場合は金額に応じて減額されるため、細かな点は申請前に確認しておくと良いでしょう。

これらの制度を上手く活用できれば、ある程度経済的負担を解決することができます。

会社で介護離職を防ぐ4つの方法

介護離職を防ぐ方法とは

介護離職を防ぐには国による取り組みも重要ですが、企業においてもしかるべき手立てを取ることで離職を減らすことができます。

周知させる
まず初めに取り組むべきは、誰でも同じような状況に陥ることがあるということを周知させることです。これは従業員の意識変革であり、この意識を変えない限り、休暇を取りやすい環境にはなりません。年老いた両親や体の不自由な肉親のために休暇を取るのは何も悪いことではなく、むしろ当然だという土壌を作ることで休暇を取りやすくなります。
また、ある程度の期間休業して次に戻ってきたときに、以前と同じようにスムーズに働けるようにしておくことも重要です。この環境が整っていれば、ストレスなく自然な形で仕事に戻ることができます。

金銭的なサポート
金銭的なサポートも企業が取れる一つの方法です。給料の何割かをサポートする制度があれば、それだけでも十分に経済的な助けになります。

サテライトオフィスの立ち上げ
仕事と介護を両立させるとなると体力的にも消耗してしまうため、東京などの都会であればベッドタウンに比較的近しい位置にある賃貸オフィスを借りてサテライトオフィスを立ち上げることも良いでしょう。通勤時間を削減できるだけでも負担は大きく異なります。

フレックスタイム制度の導入
さらにフレックスタイム制度を導入するのも良いでしょう。既定の範囲内で始業・就業の時間を決めて働くことができれば、特定の時間のみ訪問介護を依頼するなど、負担の分割が可能になります。先に述べた別の賃貸オフィスをレンタルしたサテライトオフィスをそうしたフレックスタイムで労働する従業員専用のオフィスにするといった工夫をすれば、従来通り勤務する従業員とのすみわけも可能です。

まとめ

両親などの世話によりやむなく離職してしまうような人は、実は責任感の強い人材でもあります。離職するということは、仕事と世話との板挟みになっていることであり、本人自身が仕事を疎かにしているのではないかという罪悪感に苛まれている結果でもあります。このような社員こそ企業にとってなくてはならない人材であり、簡単に離職されないよう対策を講じることが重要です。企業側が社員に対し苦しい時期をストレスなく過ごせるような工夫をすることで、貴重な人材を逃さず成長を続けられます。


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