近年では、社会でペーパーレス化の言葉を聞くようになりました。
しかし、どこから実践していいのかわからず、なかなか行動に移せない場合があるでしょう。

今回は、オフィスでのペーパーレス化とは何かと、その進め方を紹介します。
上手くいかない場合は原因があるため、問題を追及するようにしてください。

オフィスのペーパーレス化とは?

オフィスのペーパーレス化とは、紙ベースの書類や資料を減らし、電子化に移行するための対策のことです。
紙の書類や資料を電子化すれば、紙の印刷や保存が必要なくなります。
ペーパーレス化するメリットは、以下に紹介するものがあるでしょう。

経費削減になる

紙の書類を印刷する場合と比べて、ペーパーレス化すると経費削減になります。
ペーパーレス化は印刷費や用紙代が要らないためです。
また、紙の保管場所が要らなくなり、スペース有効活用や管理の人件費削減にもつながります。

情報を共有できる

電子書籍化した資料をサーバーに保存すると、幅広い人で情報を共有できます。
アクセス権がある人なら、どこからでも閲覧が可能です。
閲覧の場所を選ばないため、テレワーク向けにも活用しやすいでしょう。

災害時の損失リスクが減らせる

紙媒体の書類は、災害時に紛失するリスクがあります。
一方で電子データなら、燃えてしまうリスクや水で濡れて破れる恐れを減らせます。
電子データの保管場所は会社以外のクラウドにできるためです。

セキュリティが上がる

電子データの保管を外部に保管することで、セキュリティリスクが上がります。
サーバーの管理を専門家に任せれば、ハッキングのリスクにも対応できるでしょう。
電子化は会社の重要な情報の漏洩リスクを防ぐことにも繋がります。

ペーパーレス化を阻害する要因

オフィスのペーパーレス化を進めても、失敗する場合があります。
ただ紙の書類をデータに移行するだけでは、逆に使いにくくなる恐れがあるでしょう。
電子化する場合は、以下のようなデメリットも考慮するようにしてください。

初期コストがかかる

膨大な紙の書類を電子化するには、時間もコストもかかります。
外部に委託することはできますが、コストの面で断念する企業があるでしょう。

電子化により効率が悪くなる

例えば書類にメモ書きをしたい場合や、視認性を重視する場合に効率が悪くなるでしょう。
とくにモバイル環境で使う場合は、書類が見づらくなります。
何でも電子化すればいいわけではなく、紙で使うほうがいい書類もあるでしょう。

ITリテラシーの違い

年齢などの違いでITリテラシーの違いがあると、使いづらくなってしまいます。
事前に研修会を設けるなど、すべての社員で使いやすい対応をしましょう。
今では幅広い年代でスマホの普及率が高いことから、教育をすれば解消できる場合があります。

災害やシステム障害のリスク

サーバー側でシステム障害が発生すると、データを読み取れなくなります。
また、災害時の停電リスクもあるため、対策が必要です。
クラウドを選ぶときは、システム障害の少なさや、停電時の対応などで比較してください。

オフィスのペーパーレス化を進めるコツ

オフィスのペーパーレス化を進めるなら、正しい手順で行うことがポイントです。
事前に何を電子化すべきか検討しながら、必要があるものだけ行いましょう。
または、いきなりやるのではなく、少しずつ移行していく方法もあります。

経営陣が積極的に行う

オフィスのペーパーレス化を進めていくために、経営人が積極的に動きましょう。
全従業員で認知していると、ペーパーレス化が進めやすくなります。

従業員の中でペーパーレス化に反対する人がいたとしても、きちんと説明すれば納得してくれる可能性があります。
反対する従業員を説得するためにも、ペーパーレス化の目的を明確にしてください。
何となくやるのではなく、コスト削減のためや作業効率アップなど目的を明らかにしましょう。

電子化するものを仕分け

無駄を省き電子化したデータを使いやすくするため、電子化する書類を仕分けます。
仕分けるコツは、作業が複雑にならないかです。
従業員から話を聞きながら、電子化する書類を仕分けましょう。

また、書類を仕分けることで、必要ない書類が出てきます。
電子化する前に、要らない書類は処分するか、別の場所に移してください。

少しずつ移行していく

一気に社内の書類を電子化すると、従業員の混乱を招いてしまいます。
まずは負担が少ない部分から、電子化を進めていきましょう。
従業員が作業に慣れてから大規模な移行を進めると、失敗を減らせます。

先に電子化したいのは、社内で使う書類です。
請求書や見積書など、社外に対応する書類は後回しにしましょう。

クラウドの利用でコスト削減

自社でサーバー管理をするとなると手間やコストがかかります。
一方で、外部のクラウドを活用すれば、セキュリティが高く安価に導入できるでしょう。
クラウドは自社で保守の人件費をかけるより、安く済む場合が少なくありません。

今ではオフィスのペーパーレス化は、当たり前の時代になってきました。
自社でも紙の書類をデータに移行していきたいなら、ステップを踏みながら少しずつ取り組みましょう。
不明な点があるなら、ペーパーレス化をサポートしてくれる外部の力を借りるのもおすすめです。