初台にどのようなイメージをお持ちですか。
どのエリアかピンとこないという方もいれば、クラシックコンサートやミュージカル、バレエなどの鑑賞に足しげく通っているという方もいるかもしれません。
初台の特徴や発展の歴史を紐解いていきます。

初台の特徴

初台は、京王新線で新宿の隣駅に位置する、新宿に隣接する地域です。
副都心に隣接しながらも、新宿の賑わいや都会の雰囲気とは少し異なる様相と特徴を有しています。
どのような特徴があるのか見ていきましょう。

駅前の雰囲気と周辺エリアの違い

駅前の雰囲気と周辺エリアの違い

初台の駅を出ると、東京オペラシティや新国立劇場があるビルと直結しています。
そのため、コンサートホールや新国立劇場に訪れた方やレストランでの食事を楽しむために待ち合わせをした経験があるといった方は、近代的な建物に驚く方が多いのではないでしょうか。

ホールへとつながる広大なガレリアは、ヨーロッパの街を歩いているような異国情緒が感じられ、これから鑑賞するコンサートなど公演への期待を高めてくれます。
公演前後には、地下や2階にあるレストラン街をはじめ、53階と54階にある展望レストランで豪華な食事を楽しむこともでき、特別な時間を過ごすことができます。

そのため、駅に直結するこの施設だけを見ていると、初台は都会の中でも洗練されていて、ワンランク上の上質な暮らしができる街と思われる方も多いのではないでしょうか。
ですが、実際には初台は2つの顔を持つ地域です。

駅前には、コンサートホールなどの文化施設とレストランやショップが入る商業施設、オフィスゾーンを兼ね備えた大型の複合施設である東京オペラシティなど高層ビルや大型施設がありますが、その周辺には幡ヶ谷六号通り商店街や不動通り商店街などがあり、下町のような風情が残されています。

初台の歴史

では、初台はどのような歴史を経てきたのでしょうか。
オペラシティがこの地にできた歴史などを見ていきましょう。

初台の地域名の由来

この地の名称の由来は、江戸時代にさかのぼります。
徳川幕府の功臣の1人であった土井利勝の弟である土井昌勝の妻は、2代将軍となる徳川秀忠の乳母になりました。
彼女は初台の局と呼ばれていました。

初台の局は乳母としての功績が認められ、天正19(1591)年に当時の代々木村に二百石の知行地として賜ります。
晩年、この地に初台の局が隠居したことから、このエリアが初台と呼ばれるようになったのです。
現在の初台駅から、代々木の地にある代々木八幡宮に向かうなだらかな坂は、初台坂と呼ばれており、この言い伝えを物語っています。

オペラシティがある場所

初台駅から幡ヶ谷六号通り商店街や不動通り商店街へとつながる通りは、江戸と全国を結ぶ五街道の一つとして江戸時代に整備された歴史を持つ甲州街道です。
北から南に走るのは山手通りで、水道道路はかつて淀橋浄水場につながる水路だったところです。

新宿副都心が形成される前、現在東京都庁などの高層ビルを見上げることができる新宿中央公園がある場所は淀橋浄水場がありました。
初台につながる京王新線は、地下鉄という名称は付いていませんが、地下を走っていますが、京王線に沿って、かつて淀橋浄水場に水を供給していた暗渠となった玉川上水が流れていたのです。

オペラシティがある場所には、昭和35年まで長楽寺という寺があり、その東側に電電公社の倉庫がありました。
開発にあたって長谷寺が移転し、NTTが中心となり、NTTインターコミュニケーション・センターなども入る大型複合施設が建設されました。

東京オリンピックによる初台発展と商店街の衰退と再興

甲州街道沿いには、現在も幡ヶ谷六号通り商店街や不動通り商店街が残り、地域の方で賑わいを見せていますが、オペラシティがあるエリアにもかつては初台北口商店街がありました。

この商店街は戦前から栄えており、戦前の昭和13年頃には甲州街道北側で代々幡商盛会という名称で商店街を形成していました。
戦後もいち早く復興を遂げ、昭和23年には当時の町名から新町商盛会を発足して地域の賑わいを支えてきた歴史があります。

昭和28年に初台北口商盛会に改称し、昭和33年に協同組合として法人化し、成長を続けていたところ、昭和39年に東京オリンピック開催が決まります。
東京オリンピックが開催されたことで、代々木国立競技場やオリンピックプール、選手村などが設立された渋谷区は大きな経済的、社会的効果を得て一躍発展する機会に恵まれました。

競技場や選手村の建設にとどまらず、周辺の道路の開発や拡張工事が行われ、その周辺にある渋谷区の地域も発展を遂げていったのです。
その一方で、開発によって失われるものもありました。

初台ではオリンピック開催に向け、甲州街道の拡幅をはじめ、高速道路4号線の新設、さらに京王線の地下移線工事が昭和35頃から始まります。
中でも、甲州街道の拡幅工事は沿道の商店の立ち退きが求められ、昭和41年には初台北口商店街を組織していた組合も解散となりました。

オリンピック事業は、初台の環境と地域社会を一変させることになったのです。
もっとも、拡幅の対象にならなかった北口商店街の店主たちが再集結し、昭和45年に新たに本町1丁目商店会を結成します。
現在は初台駅北口の甲州街道から、水道道路へと至る南北の通りの片側沿道で商店街が形成されているのです。

新たに形成された本町1丁目商店会は、昭和51年に京王線と都営地下鉄の出入口が商店街口に開設されたこともあり、通勤客や通学客など行き交う人が増えるようになりますが、商店街のもう一方は、通産省工業試験所跡地の壁が行き止まりとなり、商店街の拡大を妨げていました。

しかし、試験所がつくば研究学園都市に移転することが決まり、その跡地に長い年月を経て平成9年に新国立劇場が竣工します。東京オペラシティという施設名となり、施設の南側の道路はオペラ通りと名付けられました。

そこで、駅前の商店街も平成12年にオペラタウン商店会に改称し、現在では50店舗あまりで構成されています。

初台の交通アクセス

初台の交通アクセス

初台は京王新線の初台駅が使えます。

初台駅は新宿駅までたった1駅なのが便利です。
新宿駅は日本有数のターミナル駅であり、JR山手線や中央線、埼京線や湘南新宿ラインで都内をはじめ、埼玉方面や神奈川方面、山梨方面、千葉方面ともつながっています。
東京メトロ丸の内線や都営地下鉄新宿線などの地下鉄をはじめ、京王線や小田急線、西武新宿線などの私鉄も使えます。

さらに、バスタ新宿からは、全国各地へ向かう高速バスにも乗れるので、リーズナブルな費用で出張に行くことも可能です。

初台のオフィス賃料相場

坪単価は10,000円前後~13,000円前後です。
立地や駅からの距離、ビルの築年数や設備、周辺環境によっても変動しますので、確認が必要です。

初台は、駅前こそ大規模な建物が建ち並んでいますが、その周辺地域は生活感のある商店街や住宅街があり、近代的なエリアと昭和レトロな雰囲気を残すエリアが融合しています。
そのため、賃料も抑えられている側面がありますが、仕事をするうえでは、日々のランチの買い出しや飲食に手頃な価格帯で利用できる商店街があるのはとても便利です。
一大ターミナル駅である新宿駅から1駅しか離れていないエリアとしては、賃料がリーズナブルでコストパフォーマンスに優れたエリアと言えるでしょう。

まとめ

初台は、日本有数の主要ターミナル駅である新宿駅から1駅という便利な立地にあります。
オペラシティなどの近代的な大規模建物がある一方、商店街や落ち着いた住宅街が広がっており、暮らしやすく、働きやすい環境も整っています。
都心に位置しながら賃料も抑えめで、コストパフォーマンスに優れた地域です。

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