経営者は会社運営が仕事のため、幅広い知識が必要となります。知識がなくても起業はできますが、専門知識がまったくない状態だと運営を失敗するかもしれません。会社を健全な経営状況に運営することがメインの仕事なので、幅広い知識を得るため資格取得も考えてみましょう。

経営者が資格を取得するメリットや効果

会社運営するうえで、資格取得を目指すことがあるでしょう。経営者は資格がなくてもなれますが、次の理由から資格を持っているといい考え方があります。

未経験の分野で知識を習得できる

経営者が必要とするスキルは、営業・経理・マネジメント力など総合力です。これらのスキル習得に必ずしも資格は必要なく、実務経験によりスキルが向上するでしょう。そのため経営者に資格取得は必須ではありませんが、未経験の分野に知識がないまま飛び込むのはリスクがあるため、資格取得を目指すのはよい考え方でしょう。

資格取得のための勉強をすれば、未経験の分野の基礎が学べます。知識があればトラブルを未然に防ぐ対策ができるというものです。問題が発生しても知識があると、解決策を自分で考えられるでしょう。このように、経営者は幅広い分野の知識を広く浅く理解しておく必要があるため、資格取得はおすすめです。

従業員との意思疎通を図るため

経営者の仕事は、会社の経営状況把握と改善です。しかし、従業員が増えていけばスタッフとのやり取りが増えるため、専門知識の基礎を理解しておかなければなりません。経営者が資格を持っていれば、従業員との意思疎通がしやすくなります。

また、経営者が基礎知識を持っていると、従業員の採用にも役立つでしょう。知識があれば応募者のレベルを把握しやすくなり、採用のミスマッチを減らせます。ほかにも、普段の業務で従業員の評価にも役立てることができます。

経営者が持っておくと便利な資格5選

経営者が持っておくと便利な資格5選

会社運営で具体的にどのような資格取得を目指したらいいのか、経営者におすすめの資格を紹介します。自分に足りないスキルを習得できる資格を選ぶといいでしょう。

1.MBA

MBAは、経営学が学べる大学院博士課程を終えるともらえる学位のことです。資格ではなく学位で、大学院に2年以上通うことでビジネスに欠かせない知識を幅広く習得ができます。学ぶ内容は、経済学・人材マネジメント・財務会計・マーケティング・統計学などで、経営者になるなら学位を取得しておいて損はないでしょう。

大学院に入るには試験をクリアしなければならず、難易度は高めです。また、学位取得のため多くの時間を費やさなければなりません。しかし、実際に優秀な経営者に成長している人も少なくないことから、MBA取得の肩書をアピールしたい人にはおすすめできます。

2.中小企業診断士

企業に向けた経営コンサルタントの国家資格です。経営者が資格を取得しておけば、経営状況の把握から改善ができるようになるでしょう。幅広い業種の知識が身につき、利益を伸ばすための戦略を練ることができるようになります。

試験は、1次試験と2次試験に分かれています。1次試験に合格したものだけが次のステップに進めるため、合格率は5%程度と難易度は高めです。また、2次試験は筆記試験と口述試験があり言葉として説明できなければなりません。

3.経営士

中小企業診断士と同じように経営コンサルタントのための資格です。経営士は民間の資格のため、中小企業診断士と比べて難易度が低くなります。ただし、経営の実務経験5年以上の者が対象となるので、これから経営者になる人向けというより、スキルアップにおすすめです。

試験は、筆記試験・面接・経歴審査の3つがあります。筆記試験だけでなく、面接で経営に対する質問に答えなければならず、経歴審査でこれまでの業績も判断材料になっています。

4.マーケティング・ビジネス実務検定

集客に関する知識を習得するための民間資格です。経営者は会社を運営するだけでなく、商品やサービスをアピールする力も問われるでしょう。マーケティングは基礎力の習得はもちろんですが、日々変化するため常に学び続ける必要があります。

試験では、基礎を学べるC級、マーケティング戦略の運用ができるB級、マネジメントできるA級まであります。自身で見込み客の獲得や育成に関わっていくなら役立つ資格でしょう。営業力を高めたい人におすすめします。

5.日商簿記検定

帳簿の作成や読み取りの知識が身につく資格です。日本商工会議所が主催する簿記の資格で、お金の流れを把握するため役立ちます。簿記はスタッフに任せることもできますが、自身も知識があれば経営状況を把握できるでしょう。

まずは基本的な知識習得のため、簿記検定2級を目指しましょう。簿記は会計ソフトを使って自分で入力することもできるので、起業直後に自分で管理したい場合にも役立つ資格です。将来的に税理士に任せるつもりでも、基礎知識があると理解しやすくなります。

経営者が資格取得するためにおすすめの勉強方法は?

経営者が資格取得するためにおすすめの勉強方法は?

MBAのように大学院に入るものから、国家資格では専門学校や市販のテキストで学ぶ方法があります。民間の資格でも市販のテキストが使えるため、自宅でも学べるでしょう。独学で試験に合格できるか不安なときは、通信教育で学ぶ方法も検討してみてください。

どのように学ぶかは、自分のライフスタイルに合わせるといいでしょう。時間や費用に余裕があるなら学校に通う方法が効率的で、1人でも集中できるなら市販のテキストの活用がおすすめです。

まとめ

今回は、経営者が取得しておくと便利な資格を5つと、忙しい経営者が効率よく資格取得するためにおすすめの勉強方法を紹介しました。

会社を運営するなら、幅広い知識を身につけるため資格取得を目指すといいでしょう。起業したばかりだと多くの業務を自分でこなす必要があるため、知識が必要です。また、将来的に人材を雇うことを考えていても、基礎知識はあったほうがいいため、ぜひ勉強してみてください。