仕事中の昼寝というと、さぼっている、疲れすぎなどといったマイナスの印象を持つ人も多いかもしれません。しかし今、日本の中心である東京だけでなく世界的な大企業でも勤務時間中に昼寝の時間を取り入れる会社が増えており、昼寝をパワーナップと呼んでいます。

もちろん、大きな会社で昼寝が取り入れられるのには理由があります。その理由とパワーナップの正しいやり方を知って、すっきりした頭で仕事に向き合ってみてはいかがでしょうか。

パワーナップとは「昼寝」のこと

パワーナップとは、12時から15時の時間帯に15分から30分ほどの短い昼寝(仮眠)を行うことです。パワーナップは眠気解消だけではなく、仕事の効率性を高めるさまざまなメリットがあるといわれており、Google、Apple、Microsoftなど世界的有名企業がこぞって取り入れています。

次項で詳しくパワーナップの効果について見ていきましょう。

パワーナップがもたらす3つの効果

パワーナップ(昼寝)には、主に以下のような3つの効果があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.集中力のアップ

睡眠不足だと集中力が低下するというのは誰しも経験したことがあるでしょう。昼寝のような短い時間でも睡眠時間を確保することによって、集中力を高められます。まずは集中できず仕事がはかどらないという日だけでもパワーナップを取り入れてみると、その効果を実感しやすくなります。

2.疲労回復

人間の体は、朝起きてすぐは元気な状態ですが、そこから活動をするとともにだんだんと疲労が溜まっていきます。パワーナップを取り入れることで、疲労を回復して体や脳を朝の元気な状態に近づけられます。疲れていると集中力だけでなくさまざまなパフォーマンスが低下しますから、短時間で疲労回復を行うことでパワーナップ後の仕事の効率が高まります。

3.記憶や学習効果を高める

脳は、眠っている間に記憶を定着させます。試験前の一夜漬けが頭に残りにくいのはそのためです。昼寝をすることで、午前中に記憶したことや学習したことを早く脳に定着させられます。新しい仕事を覚えたり、営業で新しい人に出会ったりというような時には特に役立つでしょう。短時間の昼寝を導入するだけで、業務効率が大幅にアップする可能性があります。

パワーナップの導入方法

パワーナップの導入方法

仕事のパフォーマンスを高めるために昼寝をする場合、ただ眠ればいいというわけではありません。昼寝の効果を最大限に引き出すために、正しいパワーナップのやり方を覚えておきましょう。

時間帯

実践する時間帯は昼食後15時までの間がベストです。食事をするとどうしても眠くなりがちですから、その眠気を利用しましょう。15時を過ぎてからのパワーナップやカフェインの摂取は夜の睡眠に差し支える場合があります。

昼寝をしたことで夜眠れなくなって睡眠不足になってしまっては本末転倒ですから、昼食後はなるべく早くパワーナップの時間を確保しましょう。

時間

昼寝をするのに効果的な時間は20分から30分程度とされています。短い時間であるため、もしも寝付けないという時には目を閉じて眠る姿勢をとるだけでも問題ありません。眠れないからと焦る必要はないため、ゆったりとした気持ちで過ごしましょう。

カフェインの摂取

昼寝前にカフェインを摂取しておくこともポイントとなります。カフェインには覚醒効果があります。カフェインの覚醒効果は体に取り入れてから30分程度で発揮されはじめます。

そのため、昼寝前にカフェインを摂取しておくと、ちょうど起きたいタイミングでカフェインによる覚醒効果が発揮され始めます。コーヒーなどで水分をとると脱水による体の疲労感も軽減できるため、一石二鳥と言えるでしょう。

環境

光や音があると入眠の妨げになってしまうだけでなく、睡眠の質を下げてしまう原因にもなります。全社員がパワーナップの時間を確保するなどの取り組みで、賃貸オフィス全体を昼寝に適した環境にできれば理想的ですが、そうでなければ社内でなるべく静かな暗い空間を探してみてください。

東京周辺には仮眠がとれるスポットもたくさんあるので、社内で眠りにくいという場合にはそうした場所を利用してみるのも良いでしょう。

姿勢

効果的な昼寝のためには、リラックスできる姿勢をとりましょう。横になれる場所があれば理想的ですが、机に伏せたり椅子にもたれかかったりするだけでも問題ありません。無理なく体を休ませられる姿勢を見つけることが大切です。

パワーナップを行う際の注意点

パワーナップを行う際の注意点

仕事中の昼寝には注意点もあります。昼寝の時間は長ければ長いほど疲れが取れると思われがちですが、実は長く寝すぎると逆効果になってしまいます。これは、30分を超えて眠ると体が熟睡モードに入り、起きた後も体や頭がぼんやりしてしまうためです。20分から30分という時間をしっかりと守ることが重要です。

パワーナップは仕事の生産性を高めてくれる大切なものですが、賃貸オフィス全体でその習慣を取り入れていない限り、さぼりと思われてしまうリスクがあります。昼寝の習慣がない会社では、休憩中にパワーナップの時間を確保するのが良いでしょう。

まとめ

昼寝というとネガティブなイメージを持つ人もいるかもしれませんが、パワーナップは世界中で取り入れられ始めている方法です。日本では東京の賃貸オフィスを中心に広がりを見せつつあります。

費用がゼロで始められるというのも気軽に試せるポイントです。ほんの少し生活習慣を変えるだけで仕事の効率アップができるので、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。