希望に沿ったオフィスを考える上で、平面図は欠かせません。しかし、「平面図をどのように活用すれば良いか分からない」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、オフィスビルにおける平面図の役割についてご紹介します。平面図でよく使用される略語の説明もしているため、ぜひ参考にしてみてください。

オフィスビルの平面図から何が分かる?

オフィスビルの平面図は、オフィスのレイアウトや動線を検討する上で欠かせない資料です。平面図から分かることを理解しておけば、快適に使用できるオフィスを作れるでしょう。以下で、平面図について説明します。

平面図とは

オフィスビルの平面図とは、内装工事後のオフィスを上から見下ろした図面です。以下をチェックする際に役立ちます。

  • 従業員の動線
  • スペースの広さ
  • ドアや窓の開閉部位

平面図から分かること

平面図から分かることは、以下のとおりです。

項目詳細
間取りオフィスの部屋割りや、各部屋の広さ
床高各部屋の床から天井までの高さ
面積各部屋の面積
壁の構造や開口部の開き勝手壁の種類や、ドアや窓の開き方
建具ドアや窓の種類や、位置
家具机や椅子などの位置
機器の配置パソコンやプリンターなどの位置

情報をもとに、オフィスのレイアウトや動線を検討できます。

縦のサイズや空間は分かりにくい

平面図では、窓のサイズや天井までの距離など分かりにくい場合があります。縦のサイズ・空間を把握するためには、立面図や断面図を併せて確認するとよいでしょう。

  • 立面図:オフィスの外側から見た図面。窓のサイズや、天井までの距離などの情報が確認できる。
  • 断面図:オフィスを縦断した図面。天井裏の構造や、設備の配置などの情報が確認できる。

オフィスビルにおける平面図の役割とは?

平面図については上記のとおりですが、平面図を活用することで、どのような利点があるのでしょうか。以下で、平面図の役割について説明します。

従業員とのイメージ共有

オフィスの内装工事やレイアウトの再検討をする際に、平面図を作成しておくと他の従業員とイメージを共有しやすくなります。平面図があれば、具体的なレイアウトや動線を視覚的に確認できるため、意見交換をスムーズに行うことが可能です。

たとえば、オフィス移転やレイアウト変更の際には、平面図を社内共有することで、従業員の意見や要望を収集できます。また、従業員の働きやすさや生産性を向上させるためのレイアウトを検討する際にも、平面図は欠かせない資料となります。

オフィスの機能性を検証

オフィス設備の設置ミスや、計画通りのレイアウトがなされているかを確認することが可能です。たとえば、火災報知器や照明などの設備は、平面図に記載された位置に正しく設置されているか確認する必要があります。

また、会議室や応接室などのスペースは、十分な広さを確保できているか確認することも重要です。平面図を定期的に確認することで、オフィスの不具合や改善点を早期に発見できるでしょう。

オフィスビルの平面図に記載されている略語

平面図を読む際に、略語を見かけることがあります。各略語にどのような意味があるのでしょうか。以下で、いくつか解説します。

ESP

ESPは、電気の配線や配管を通すスペースです。基準階面積の1-2%の面積が必要となります。電気設備の設置や、電気配線の変更を行う際は、ESPの位置を把握しておきましょう。

PS

PSとは、パイプスペースの略で、水回りを設ける際に必要となるスペースです。トイレやキッチンなどの水回りの設備を設置するために、PSの位置を把握しなければなりません。

DS

DSは、換気や空調のダクトを通すスペースです。換気扇やエアコンなどの設備を設置するために必要です。DSは、オフィスの天井裏や壁の中に設置されています。換気設備や空調設備の設置や、ダクトの変更を行う際には、DSの位置を把握しておく必要があります。

AD

ADとは、エアダクトの略で、空調設備の温・冷風を通すためのパイプです。空調設備の設置や、ダクトの変更を行う際は、ADの位置を把握しておく必要があります。

平面図から見た快適なオフィスビルのポイント

従業員が快適に過ごせるオフィスビルにするためには、どのような点を確認したら良いのでしょうか。以下でポイントについてまとめました。

貸室形状と柱の位置関係

貸室の形状が整形空間であること、貸室内部に柱がないことが望ましいでしょう。整形空間であれば、レイアウトの自由度が高く、効率的なオフィスづくりが可能です。また、柱がない無柱空間であれば、より広々とした空間を実現できるでしょう。

柱がある場合でも、柱の位置をうまく活用することで、快適なオフィスづくりができる場合があります。たとえば、柱を間仕切りにしたり、柱の周りにデスクや収納を配置したりすることで、スペースを有効活用できるでしょう。

開閉可能な窓がある

窓には固定窓と開閉窓があり、どちらも日光が入りますが、開閉窓であれば換気ができて便利です。換気は、感染対策や室内の空気質の向上につながります。

また、自然光は脳内ホルモンの一種であるセロトニンの分泌を促すため、従業員のモチベーションや集中力につながるでしょう。

窓が固定されている場合でも、換気のために窓を開けられるようにしておくと良いです。また、自然光をより多く取り入れるために、窓の位置や大きさにも配慮しましょう。

共用部の位置関係

トイレやエレベーターなどの共用部が貸室の外側に集約されていると、従業員の導線がスムーズになり、快適に過ごせます。

共用部が貸室内に設置されている場合、従業員の移動距離が長くなり、雑音や振動などの影響を受ける可能性があります。また、共用部が狭かったり、数が少なかったりする場合は混雑や待ち時間が発生するかもしれません。

平面図が読めない方は専門家と見るのも手段

平面図は専門用語があり、読めない人も少なくありません。そのため、専門家に相談するのも一つの手段です。専門家であれば、平面図を読み解くためのスキルや知識を有しており、オフィスのレイアウトや広さに関するアドバイスをもらえます。

東京事務所探しプラスでは、オフィスの移転や契約についての情報発信を行っています。オフィスに関することであれば、ご相談を承っているため、お気軽にご連絡ください。

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平面図を活用して理想のオフィスを作りましょう

平面図を活用すれば、オフィスのレイアウトや広さに関することがすぐに分かります。社内での共有や、オフィスが完成した際の確認のために、作成をおすすめします。

平面図の読み方が分からない場合は、専門家の力を借りてみても良いでしょう。理想のオフィスのために役立ててください。