オフィス移転を検討している担当者のなかには、世間一般の企業がどのような理由・目的で移転をしているのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

オフィスを移転する場合、ただの引越し感覚で物件選びをするのではなく、明確な理由・目的を持つことが移転を成功させるポイントです。

そこで今回は、オフィス移転の理由や、なぜ理由を持つことが大事なのかという点に加えて、理由以外に明確にしておきたいことなどについて解説していきます。

オフィスを移転するおもな理由5選

オフィスを移転するおもな理由5選

オフィス移転をする際は、理由を明確にしたうえで行なわないと、物件選びで失敗する場合や企業の成長戦略に影響をおよぼす可能性があるため注意が必要です。

では、世の中の企業は、どのような理由でオフィス移転しているのでしょうか。おもに、以下のような理由が挙げられます。

  1. 生産性向上のため
  2. ブランディングのため
  3. 事業拡大にともなう人員増員のため
  4. ワークスタイルの変化に対応するため
  5. 優秀な人材確保のため

まずは、それぞれのオフィス移転の理由について確認していきましょう。

理由1.生産性向上のため

オフィス移転は、社員の生産性向上を理由に行なうケースが多いです。オフィス内に集中しやすい作業スペースがあったり、効率化された導線・レイアウトになっていたりすると、社員の生産性向上が期待できます。

気軽にコミュニケーションを取れるミーティングスペースや、リフレッシュできる休憩スペースなど、社員が働きやすいオフィス環境を用意することが大切です。

明るくて広く清潔感あふれるオフィスに移転するだけでも、社員のモチベーションアップにつながって生産性が上がる可能性もあるでしょう。

理由2.ブランディングのため

オフィス移転は、企業ブランディングを目的にしているケースも珍しくありません。オフィスの所在地は、企業のブランディングに影響をおよぼします。

例えば、アパレル企業であれば青山・表参道にオフィスがあると、企業のブランド力・イメージアップにつながるでしょう。IT企業なら、渋谷・六本木にあるオフィスに移転すれば、自社のブランド化を促進できます。

起業して事業がある程度波に乗ったら、自社と同業種の企業が密集しているエリアに移転するのを検討してはいかがでしょうか。

理由3.事業拡大にともなう人員増加のため

オフィス移転の理由のなかでもよくあるのが、事業拡大による人員増加にともなって、今のオフィスでは狭くなったというものです。

例えば、IT企業であれば人員増加と同時に、オフィス機器も増やさなければならないため、より広い敷地面積のオフィスに移転する必要があるでしょう。

多くのスタッフが集まるフロアが狭いと、生産性の低下につながる恐れもあります。スタッフ全員が伸び伸びと働ける環境にするためにも、増員数に応じて適切な広さのオフィスに移転することが重要です。

理由4.ワークスタイルの変化に対応するため

近年では、新型コロナウイルスによってテレワークを推進する企業が増えました。その結果、現在よりも規模が小さく、安価な家賃のオフィスへ移転する企業も少なくありません。

また、テレワークの普及にともなって、オフィスならではの価値を求める声も増えています。オフィスを移転すれば、ワークスタイルの変化や働き方改革に対応することが可能です。

例えば、オフィスでは社内もしくは、取引先との打ち合わせをメイン用途にしたいという目的で移転を検討する企業もあるでしょう。オフィス移転して、ミーティングスペースの拡充や設備の整った環境を用意できれば、より建設的な打ち合わせを実現できます。

理由5.優秀な人材確保のため

就職活動・転職活動をする求職者にとって、オフィス環境が整っているかどうかは重要なポイントの一つです。上記でお話ししたように、オフィスの所在地が企業イメージを左右するケースもあります。

加えて、以下のようにオフィスそのものに付加価値があれば、より多くの就職希望者を募れるでしょう。

  1. アクセスが良く通勤しやすい
  2. きれいで働きやすい環境
  3. ミーティングや休憩などに有効活用できるフリースペースがある

より優秀な人材を確保したい場合は、社員にとって快適で働きたいと思える環境のオフィスに移転するのも有効手段といえます。

物件選びに失敗しないために明確な理由を持つことが大事

物件選びに失敗しないために明確な理由を持つことが大事

オフィス移転をする際は、まず明確な理由を考えましょう。なぜかというと、以下のようなことが挙げられるからです。

  • 移転先の方向性が定まらないから
  • 移転後に不満が生じる可能性があるから
  • 目的から逸れた物件選びをしてしまう場合があるから

最初に理由・目的を明確にしておかないと、移転先のオフィスをどのような方向性で探せばいいのかわかりません。例えば、人員増加を理由に広いオフィスへ移転したいというのが本来の理由なのに、家賃ばかりみて物件を探すといったことも起こり得ます。

そうならないためにも、まずはオフィス移転の理由を明確にし、複数の理由がある場合は各理由の優先順位を付けることが大切です。

オフィス移転で理由以外に明確にしておきたいこと

オフィス移転を検討する際は、理由以外にも明確にしておきたいことがあります。それは、以下の3点です。

  • 理想とする働き方
  • 移転スケジュール
  • 移転にかかる予算

まず、社内でどのような課題を抱えているかを分析しましょう。そして、どのような働き方を推奨していきたいかを明確にし、その理想の働き方のイメージに合わせて、移転先の物件・オフィス家具選びやレイアウトなどを決めていくとよいです。

そして、オフィス移転には、物件探しから完了まで数ヵ月以上かかります。実務に差し支えないように、スムーズに移転作業を終えるためにも、全体のスケジュールを立てて準備を進めていくことが大切です。

加えて、移転先オフィスの賃貸料や備品・設備、引越しにかかる費用など、トータルでどのくらいのお金をかけられるのか予算を出しておくとよいでしょう。

まとめ

オフィス移転をする理由は、「生産性を向上したい」「人員増員にともなって広いオフィスに移転したい」など、企業によってさまざまです。

オフィス移転をする際は、事前に理由を明確にしておかないと、物件探しの方向性がわからなくなったり、移転後に後悔することになったりするため注意しましょう。

また、オフィス移転の準備を進めるにあたって、理由だけでなく理想とする働き方やスケジュール・予算なども明確にしておくことをおすすめします。