芝と聞いても、どの辺りを指すのかピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。
一方、時代劇が好きな方なら、よく聞く名前、馴染みのあるエリアではないでしょうか。
この記事では、芝の歴史や街の特徴についてご紹介していきます。

芝の特徴

芝はとても歴史のある地域で、時代劇を見ていると芝の名称や芝にある神社仏閣の名称が登場することもしばしばです。
現在の芝にはどのような特徴があるのか見ていきましょう。

歴史ある神社仏閣がある地域

芝には、古くからの歴史を持つ由緒ある神社仏閣が今も鎮座しています。
徳川幕府の菩提寺として崇敬された増上寺は、時代劇でもよく登場する有名なお寺です。
近年では、亡くなられた安倍元総理の国葬をはじめ、著名人が葬儀を行う場としても知られています。
増上寺からほど近い芝大神宮は、平安時代の創建とされて長い歴史を持ちます。
由緒ある神社仏閣が残されているため、浜松町エリアの高層ビルが多い地域に比べると高い建物が少なく、目立つのは東京タワーと東京プリンスホテルくらいです。

整備された自然に親しめる地域

整備された自然に親しめる地域

芝エリアには、日本最古の公園の一つである広大な芝公園があるほか、増上寺や芝大神宮などの境内にも緑が残されています。
庭園をはじめ、季節の花々や紅葉が楽しめる芝公園内に、東京タワーも建っており、美しい自然の光景と近代的な東京タワーのコントラストも楽しめるのが魅力です。
芝公園は、明治時代に開園した当時は増上寺の境内も含まれており、現在の東京タワーはもともと増上寺の境内だった場所に位置しています。
そのため、美しい花々や増上寺、東京タワーという3つを含めた構図で写真も撮影できるので、絶好の撮影スポットでもあります。

東京のシンボルである東京タワーがある地域

東京タワーは、今でこそ高さや電波塔としての役割を東京スカイツリーに譲りましたが、今でも東京のシンボルとして君臨しています。
赤い鮮やかな色で、美しい三角錐のタワーに親しみを持つ方も多いのではないでしょうか。
展望室から東京一円や天気の良い日にははるか先に富士山や筑波山なども望める大パノラマが眺められます。
夜間にはライトアップもなされ、芝エリア一帯が幻想的な光景に包まれます。

電機メーカーを中心とした企業の拠点が集まる地域

芝は、企業名に芝が付く東芝をはじめ、NECなどの高度経済成長期から近年に至るまで世界に日本の技術を知らしめてきた、トップクラスの電機メーカーが誕生した地でもあります。
現在でこそ、IT企業などに存在を譲っていますが、現在でも電機メーカーをはじめ、工業系の企業の本社などが多く集まっているのも特徴の一つです。
田町駅や浜松町エリアは、朝のラッシュ時には田町の慶応大学に通う学生をはじめ、オフィスへと向かうビジネスパーソンで賑わいを見せます。

芝の歴史

伝統と由緒ある神社仏閣や古い公園があり、戦後復興や高度成長期のシンボルとなった東京タワーもある芝は、どのような歴史を辿ってきたのでしょうか。
芝エリアの歴史を見ていきましょう。

江戸時代の芝

芝エリアには、平安時代の創建とされる芝大神宮をはじめ、増上寺など歴史ある神社仏閣があります。
江戸時代になり、徳川幕府が開かれ、徳川家康が江戸に入城してからは、芝大神宮は徳川家によって重んじられ、増上寺は徳川家の菩提寺にされるなど、大切に扱われてきました。
そのため、江戸時代を描いた時代劇には、増上寺などの実名が登場することも少なくありません。

明治時代に芝公園が設立される

明治維新が起こり、明治政府へと転換を遂げると、広大な増上寺の境内が日本で最初の公園とされ、現在の都立芝公園の原型となります。
戦後の政教分離などの規制で、現在は公園から増上寺の境内部分が切り離されましたが、隣り合っている立地です。
東京タワーももともとは増上寺の境内であった場所に建てられたため、増上寺、東京タワー、芝公園は一体化したような光景を見ることができます。
さらに、東京プリンスホテルや港区立の施設なども周辺に建っているため、芝公園一体が1つの都市空間のように、芝エリアを象徴する多くの施設が集まるエリアになっています。

鉄道の開通と広大な敷地の活用

明治5年(1872年)には、日本初となる鉄道が芝エリアの一角ともいえる新橋と横浜間に開通しました。
芝エリアには、鉄道の起点となる初代の新橋停車場や品川駅も設置されるなど、交通や物流の要衝として成長を遂げていくことになります。
明治42年(1909年)には東海道線と名付けられ、現在の新橋駅にあたる烏森駅をはじめ、浜松町駅、田町駅ができ、現在の芝エリアの玄関口となる駅が誕生しています。
一方、江戸時代には幕府や武家の領地などがあった芝エリアは、明治維新を経て、皇族や華族、財界人の邸宅になり、さらに明治政府の殖産興業政策を受け、鉄道の物流が利用できる好立地を活かし、近代的な工場が造られていきました。

工業化の発展を支えた地域

工業化の発展を支えた地域

芝エリアには勧工場が設置され、近代的な機械化された工場が開設されていきます。
電気をはじめとする、新しい技術の開発や商品開発にいそしむ企業や工場が続々と増えていき、芝は日本の近代化と発展の一端を担う地域になりました。
その代表格が、企業名にも「芝」の名称が入る、旧・東京芝浦電気株式会社、現在の東芝です。
そのほか、日本電気(NEC)や沖電気といった電機メーカーをはじめ、東京電力、東京ガス、現在のニコンとなる日本光学などインフラ関連や精密機械メーカーも拠点を構えていきました。
また、現在も田町駅前にビルを持つ、森永製菓といった日本を代表する企業がこの地を拠点にしていきます。
古いデータによると、明治5年(1872年)には5.6万人であった人口が、工業化によって労働者やその家族が増えたことで、第1回国勢調査時の大正9年(1920年)には約3倍にのぼる17.9万人へと増加したと言われています。

高度成長期の芝

芝エリアは、高度成長期をけん引することになった電機メーカーなどが集まっていたため、戦後の復興期から、東京を代表するビジネス街の一つに発展していきました。
特に高度経済成長の勢いはすごく、浜松町駅や田町駅はオフィスに向かう多くのビジネスパーソンであふれていたのです。
東京モノレールの開業により羽田空港との行き来ができるようになり、東京タワーの開業で観光スポットもできたことから、修学旅行生や国内外から東京に訪れる観光客が足を運ぶ場所としても賑わいを見せていきました。

美しい光景が残される地域

現在、IT技術への転換やほかのグローバル企業の台頭などにより、東芝やNECは陰りを見せていますが、それでも古い歴史が大切に残され、スカイツリーができても東京タワーの人気は衰えず、学生やビジネスパーソン、観光客が集うエリアとして変わらぬ賑わいを見せています。

芝の交通アクセス

「芝」という名称の駅はありませんが、さまざまな路線を使ってアクセスできます。
芝の行きたい場所にもよりますが、都営地下鉄三田線の芝公園駅または御成門駅をはじめ、都営地下鉄浅草線と大江戸線が使える大門駅、都営地下鉄大江戸線の赤羽橋駅、都営三田線と都営浅草線が使える三田駅、またJR山手線・京浜東北線の浜松町駅または田町駅も利用できます。
浜松町駅からは羽田空港へとアクセスできる、東京モノレールにも乗れるのが便利です。

芝のオフィス賃料相場

坪単価は15,000円前後ですが、50,000円近い高単価なところもあります。
芝エリアは使える駅も多彩なので、どの駅から近いか、複数駅や複数路線が使える立地などによって相場が異なります。
立地をはじめ、築年数や設備、面積によっても変動しますので、確認が必要です。

まとめ

芝エリアは歴史が深く、古い時代から崇敬されてきた由緒ある増上寺や芝大神宮などがあります。
東京のシンボル的存在の東京タワーなどもあり、日本最古の公園の一つである芝公園が広がるなど、豊かな緑をたずさえ、季節の花なども楽しめる地域です。
都心にありながら、歴史や伝統、自然に親しめる美しいエリアですので、ぜひ検討してみてください。

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