四谷というエリアは明確に定義されたものではありませんが、一般的には新宿区の旧四谷区に該当するエリアのことを意味します。
都心にありながら自然が多く残り、街のあちらこちらに歴史的な街並みを見ることができるエリアです。

現在では、交通の便の良さもあってさまざまな企業のオフィスが建ち並ぶビジネス街として高い人気を誇っており、四谷にオフィスを構えたいと考えている経営者の方も少なくないでしょう。
ここでは、四谷エリアの歴史や特徴、賃貸オフィスの情報などをご紹介していきますので、四谷エリアでオフィスを検討されている方は参考にしてください。

四谷エリアの歴史

現在の四谷は、ビジネス街としてのブランド価値が非常に高いエリアですが、その理由として歴史的な背景も大きく影響しています。
そこで、ここでは四谷エリアの歴史や街の変遷などについてご紹介します。

江戸時代の四谷は武士の街

四谷という地名は江戸時代以前の1590年にすでに文献に登場していますが、由来については諸説あります。

1つはこの地域に千日谷、茗荷谷、千駄ヶ谷、大上谷という4つの谷があったことから四谷と呼ばれるようになったというものですが、それとは別に梅屋、木屋、茶屋、布屋の4軒の茶屋があったことから4つの茶屋が四谷に変化したのではないかという説もあります。
江戸時代以前の四谷は、潮踏の里(しおふみのさと)あるいは潮干の里(しおほしのさと)などと呼ばれていたことからもわかるように、海岸線が間近に広がる野原に過ぎませんでした。

しかし、江戸時代になり徳川家康によって江戸城が築かれると、四谷エリアも大きく様変わりすることとなります。

四谷には、外堀が作られ警備のための城門である見附が設置されたため、そこに詰める数多くの武士が武家屋敷を構えるようになりました。
四谷の近くに紀尾井町という地名がありますが、これもこのエリアに紀州徳川家、尾張徳川家、井伊家などの有力大名の屋敷があったことが由来となっています。

また、江戸から甲府方面へ延びる甲州街道が整備されたことで、街道沿いにある四谷へ多くの人が行き来するようになり、大変な賑わいを見せるようになりました。
物資を運ぶための馬を扱う役人も多く、現在でも四谷伝馬町という地名にその名残りを見ることができます。

もう1つの変化は寺院の建設・移設ラッシュです。
四谷に隣接する麹町地区は古くからお寺が多いことで知られていますが、外堀を設置することになり立ち退きを迫られたため、多くの寺院が四谷へ移ってきました。
そのため、現在でも四谷では多くの寺院を見ることができるのです。
このように、江戸時代の四谷は武士の街、そして交通の要衝として大きく発展していきました。

明治以降は交通網の発達により東京でも有数の繁華街へ

明治になると、甲武鉄道が延伸されて四ツ谷駅が開業するなど、交通網が急速に発展していきました。後には市電も開通し、新宿から四谷、神楽坂へと延びる大通りも拡張され、都内でも有数の繁華街として賑わうようになります。

また、江戸時代に武家屋敷が建ち並んでいた地域は明治政府によって買い上げられて、紀州徳川家の跡地は赤坂御用地となりました。
そのほかのエリアには、陸軍士官学校などの陸軍施設や学校・病院などの公共施設が数多く建設されました。

昭和になり再開発によりオフィス街へ

昭和に入ると、関東大震災や戦争によって大きな被害を受け、四谷エリアから新宿エリアに移転する商店も多く見られました。
そのため、一時期の賑わいが下火になった時期もありましたが、戦後になるとオリンピックの開催に向けて急速に復興への取り組みが進められていきます。

その結果、首都高速道路の整備が進み、国立競技場などのスポーツ施設が建設されました。
昭和40年代になると四ツ谷駅前で大規模な再開発が行われ、オフィスが建ち並ぶビジネス街へと変わっていきます。
地下鉄の開業とも相まって利便性が格段にアップしたこともあり、昭和から平成にかけては外資系の企業も数多く進出してくるなど、現在でもビジネス街として非常に高い人気を誇っています。

四谷エリアの特徴

四谷エリアには、朝日生命保険やミロク情報サービスといった大企業の本社がありますし、外資系企業の拠点もたくさんあります。
このような企業が四谷に会社を置く理由がどこにあるのか、四谷という街の特徴をご紹介していきます。

四谷は交通アクセスが充実している

四谷の交通アクセスの良さは最高レベル

四谷にオフィスを構えるメリットの一つは交通アクセスの良さでしょう。
四ツ谷駅には、JR総武線・中央線のほかに東京メトロ丸ノ内線・南北線と4本の路線が乗り入れています。

総武線・中央線を利用すれば新宿駅や御茶ノ水駅まではわずか5分ですし、八王子方面や千葉方面へもスムーズに移動することが可能です。
また、丸ノ内線を利用すれば霞ヶ関駅や東京駅までは10分以内ですし、池袋駅へも15分で移動することができます。

丸ノ内線は飯田橋駅や永田町駅など都心の駅はもちろんのこと、横浜方面や埼玉方面へダイレクトにアクセスできるのが強みです。
さらに、四谷エリアには中央に新宿通りが走っていることに加えて外苑通り(東通り・西通り)、外堀通りが走っているため、自動車での移動も非常に便利です。
バス路線も充実しているので交通アクセスについてはこれ以上ないエリアだと言えるでしょう。

自然と歴史が融合した落ち着いた高級感のある街並み

自然と歴史が融合した落ち着いた高級感のある街並み

駅前はオフィスビルや商業施設が建ち並んでいますが、少し離れると自然豊かな公園や歴史を感じさせてくれるスポットが数多く存在しているのも四谷エリアの大きな特徴の一つです。

明治39年に信州高遠藩主内藤家の屋敷の跡地に造られた新宿御苑は、日本庭園・イギリス風庭園・フランス風庭園を組み合わせた造りで知られ、都会の真ん中にありながら1万本を超える四季折々の樹木や草花を楽しむことができます。

外濠公園は、四ツ谷駅から飯田橋駅までのおよそ2kmにわたる細長い公園で、春にはお堀沿いに桜の花が咲き乱れてとてもきれいです。
歴史的な建造物としては迎賓館が有名です。

海外から国賓をお迎えした時に使われる施設ですが、一般公開もされているので予約なしでも見学することができます。
このほかにも、江戸時代初期からこの地にある須賀神社や服部半蔵の墓があると言われる西念寺など、自然や歴史を楽しむことができるスポットがたくさんあります。

四谷エリアの賃貸オフィスの情報

四谷エリアの賃貸オフィスの情報や賃料の相場をご紹介します。

大規模な再開発事業で人気の高まる四谷エリアの賃貸オフィス

大規模な再開発事業で人気の高まる四谷エリアの賃貸オフィス

四谷エリアのオフィスの多くは、東西に走る新宿通りや南北に走る外堀通りに面して建ち並んでいますが、都心の割に超高層ビルも多くありませんし、比較的築年数が経過した物件が多い傾向があります。

そのため、ニーズに比べて物件数が限られていました。
ところが、近年は大規模な再開発事業が行われ、物件も増えてきています。
その1つが、四ツ谷駅前に2020年に完成したコモレ四谷です。

オフィス棟であるYOTSUYA TOWERは、地上31階・地下3階、高さ145mでオフィスからは迎賓館や聖イグナチオ教会、上智大学などが見渡せる好立地が魅力です。
さらに、2023年には駅から徒歩8分の新宿通り沿いにフロントプレイス四谷が竣工されました。

10階建ての建物で、8階までがオフィスとなっており、鏡張りの外観から新しいランドマークとして注目されています。
このように、四谷エリアには次々にオフィスビルが誕生しており、今後もさらにビジネス街としての価値が高まると考えられます。

四谷エリアのオフィス賃料相場

気になる四谷エリアのオフィス賃料の相場ですが、30坪~50坪のオフィスで24,000円(坪単価)、50~100坪のオフィスで27,000円、200坪を超える大型のオフィスでは30,000円です。
大型の商業ビルが次々にオープンしていることもあって上昇傾向が見られます。

まとめ

四谷エリアは、もともとは住宅や公共施設、教育施設などが多い街でしたが、交通アクセスの良さから近年ではビジネス街としての開発が進み、大きな発展を見せています。
再開発事業によって超高層ビルも誕生し、今後はさらにビジネス街として注目を集める街になるでしょう。
ニーズも高いので、四谷エリアで理想のオフィスを見つけるためにも日頃からこまめにチェックすることをおすすめします。

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