これからオフィスを設置する場合では、どのような部屋が必要か迷うかもしれません。とくに迷いやすいのは、社長の部屋ではないでしょうか。設置するメリット、デメリットを紹介しますので、参考にしてみてください。

オフィスにおける社長室の役割

オフィスに社長室を設置すべきか迷ったら、まずは部屋の役割を確認しましょう。何のための部屋なのか理解することで、社内での必要性が明確になります。

会社の中心的部署のこと

社長室とは、会社にとって中心となる部署のことです。部署のひとつのため、社長以外にも秘書がいることがあります。秘書がいる会社では、秘書が社長のスケジュール管理をしており、社長のサポートが主な仕事です。

社長がアイディアや資料をまとめるための部屋

社長室は、社長の業務を行うためにあります。主な業務とは、アイディアを練り、考えを資料にまとめることです。新たなアイディアを練るためには、情報収集も必要でしょう。考え付いたアイディアをWordやExcelなどのファイルに書きこむ作業もあります。

また、社長が考えることは、予算や事業内容など幅広い内容があります。今後のオフィスの方針や、戦略を立てていく仕事です。

社長の意思を伝えるための部屋

考えがまとまったら、その考えを社内に共有します。必要であれば、新たに広報室を立ち上げることもあるでしょう。誰に任せるのかの任命も社長の仕事のひとつです。オフィスによっては、社長から直接伝えられる場合もあれば、社長室の担当者から伝えられることもあります。

応接スペースとしての利用

企業にとって重要な顧客の応接にも社長室は最適です。社長室を応接室として利用することで、相手側にも「丁重におもてなしされている」という好印象が与えられます。

オフィスに社長室があるメリット5つ

オフィスに社長室があるメリット5つ

オフィスに設置するか迷ったら、設置するメリットを確認してみましょう。社長のタイプによっても設置したほうがいいか事情が異なってきます。設置すべきか迷ったら、社長と社員のメリットを考えてみてください。

1.聞かれたくない話ができる

個室であることが多いため、プライベートな話がしやすくなります。たとえば、社員に聞かれたくないような社長同士の会話がしやすいでしょう。別のオフィスの社長を迎える部屋は応接室もありますが、社長室を利用することもできます。

また、社員とのプライベートな会話も、個室があると便利です。たとえば、社員同士のトラブルで悩んでいる社員の相談に乗る場合です。社員がいる場所では話しにくいことがあるため、本音を聞き出すなら個室がおすすめです。ほかにも、家庭での悩みを抱えている社員もいるかもしれません。

2.現場との距離感を保てる

個室があることで、社長と現場の距離感を保つことができます。近くに社長がいると社員に口出ししたくなりますが、部屋が離れていればその影響は少ないでしょう。ついつい口を出したくなる社長なら、部屋の設置がおすすめです。

ある程度進んでいたプロジェクトがあっても、社長の一言で振り出しに戻ることはあります。社長が細かいことに口を出すと業務に支障を及ぼすかもしれません。すべてを社員に任せているのなら問題ありませんが、小さな会社ほど口を出しやすいため注意してください。

また、部屋が別にあると、社員が社長を気にせず業務ができるメリットもあります。社長に見られていると思うと身構えてしまいますが、いなければ思い切った行動が可能です。社員が自由な意思で業務を遂行して欲しいなら、個室があるといいでしょう。

3.社員の自立に役立つ

近くに社長がいると、社員は些細なことでも確認を取りがちです。しかし個室であれば気軽に声をかけられないため、社員は自分で考える癖がつくでしょう。結果的に、社員の自立に役立つことになります。自分で考えて行動できる社員を育てたい場合は、部屋の設置がおすすめです。

4.機密情報を保管できる

社長の部屋が個室であれば、セキュリティを高めることができます。外部に漏らしたくない機密情報を保管すれば、情報を守ることができるでしょう。

また、社長のそばを通らないとセキュリティルームに入れないようにすると、社員が情報を持ち出すリスクが減ります。いつも社長の目が光っている認識を持つようになり、社員自身にも情報を守る意識が高まるでしょう。

5.社長の業務に専念できる

社長専用の部屋があると、社長がリラックスして自分の業務に専念できるメリットがあります。個室があれば、社員に気を遣う必要はありません。情報収集や考えをまとめるのが社長の仕事のため、人によっては1人になれる環境が必要なこともあるでしょう。

オフィスに社長室があるデメリット2つ

オフィスに社長室があるデメリット2つ

社員が過ごす場所と別に個室を設けてしまうと、デメリットもあります。社長の部屋が必要なのか迷ったら、デメリットの部分にも目を向けてみてください。

1.社員の様子を把握しにくい

個室で作業をしていると、社長が社員の様子を見る機会が減ります。すると、社員の些細な変化に気づかず、社員が離れてしまう恐れがあるでしょう。

たとえば、健康状態が悪い社員を無理に働かせてしまう問題や、業務内容に不満がある社員が離職してしまう恐れがあることです。こまめにコミュニケーションを取れる環境なら、これらの問題は防げたかもしれません。

社員との距離が離れているとメリットもありますが、距離が遠すぎるのも考えものでしょう。個室を設ける場合は、社長の部屋を通らないと仕事ができない対応がおすすめです。タイムカードを設置する、資料室を設置することで、社員との交流時間をとることができます。

2.社長の独りよがりになることがある

社員と別の部屋で作業をしていると、社員の様子を把握しにくくなります。すると、社員の考えていることが理解しにくくなるでしょう。そういった環境では、社長の独りよがりで作業を進めがちなため注意が必要です。

会社は一人で経営しているのではなく、社員があってのことです。社長の考えばかりが優先されてしまうと、社員の不満が蓄積していく恐れがあります。独りよがりに会社を経営してしまうことがないよう、社員との交流を深める機会を増やすといいでしょう。

まとめ

社長の部屋を設置するか迷ったら、紹介したメリット・デメリットを比較してみてください。オフィスの種類や社長のタイプによっても、条件が異なってくるでしょう。すべてのオフィスに社長の部屋が必要というわけではないため、それぞれの会社の条件に合わせて選んでみてください。