港区といえば日本を代表するオフィス街であり、大企業の本社や外資系企業の日本拠点が建ち並ぶエリアです。
港区にオフィスを構えることは1つのステータスであり、実際に賃貸オフィスを探しているという経営者も多いでしょう。
ただ、一口に「港区」といってもエリアによって異なる特徴があり、大規模なオフィスビルが多く林立しているエリアもあれば、住宅地にほど近く中・小規模のオフィスが多いエリアもあります。

また、エリアによって特定の業種のオフィスが集まっているケースも見られます。
そこで、ここでは港区を「芝・新橋エリア」「赤坂・青山エリア」「麻布・六本木エリア」「芝浦・台場エリア」「高輪・白金エリア」の5つに分け、それぞれのエリアの主要駅やその特徴について詳しくご紹介していきますので、港区でオフィスを探している方はぜひ参考にしてください。

芝・新橋エリアについて

このエリアは、日本のビジネスの中心地であり、港区の中でも特に大規模なオフィスビルが多く見られるエリアです。
芝は、田町駅や三田駅を中心としたエリアで、東京タワーがあることでも知られています。
田町駅には、JR山手線や京浜東北線が乗り入れているので、都内の主要駅までダイレクトにアクセスすることができますし、都営地下鉄浅草線・三田線が利用できる三田駅とは連絡通路で接続する形になっているので乗り換えも非常に便利です。
また、桜田通りや第一京浜、日比谷通りなど大きな幹線道路が駅前で交わる交通の要衝でもあります。

このような交通アクセスの良さから、駅前は国内屈指のビジネス街となっており、三井住友グループや森永グループ、NEC、バンダイナムコホールディングスなどの大企業や外資系企業のオフィスが多く建ち並んでいます。
また、慶応大学をはじめとする教育機関や各国の大使館なども多く見られるエリアです。
新橋も古くからオフィス街として発展してきたエリアであり、その主要駅は新橋駅となります。

1872年に新橋駅と横浜駅の間に国内初の鉄道路線が開業したことから、日本の鉄道発祥の地として知られています。
現在の新橋駅には、JRだけで山手線・京浜東北線・東海道線・横須賀線の4路線、さらに東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線、ゆりかもめも乗り入れており、都内主要駅はもちろんのこと、横浜方面やお台場方面への移動も便利です。
「サラリーマンの街」とも呼ばれる新橋にはさまざまな企業のオフィスが建ち並んでいますが、芝エリアと比べると築年数の古いオフィスや中・小規模のオフィスも多く、ニーズに合わせたさまざまな物件を探すことができます。

赤坂・青山エリアについて

赤坂といえば繁華街というイメージを持っている方も多いでしょう。
明治時代に迎賓館が建設されたことで政治家や軍人、外国人などが多く集まり、そのような人々が利用する高級料亭や商店、旅館などが所狭しと建ち並んでいました。

昭和に入ってからもレストランやキャバレー、ナイトクラブなどが続々建設され、国内でも有数の繁華街として栄えました。
しかしながら、1980年代以降になると赤坂周辺ではいくつもの再開発事業が行われ、アークヒルズをはじめとする大型のオフィスビルが続々と建設されるようになります。
現在も「赤坂トラストタワー」や「赤坂グリーンクロス」といった高層ビルが竣工間近に迫っています。

赤坂に次々とオフィスビルが建設される理由の一つはアクセスの良さです。
赤坂の主要駅である東京メトロ千代田線の赤坂駅だけでなく、赤坂見附駅や溜池山王駅など数多くの駅があり、地下鉄が網の目のように張り巡らされています。
このため、都内各所へ便利に移動することが可能です。
このように、現在の赤坂は大型のオフィスビルや複合商業施設が建ち並ぶエリアであり、以前の繁華街というイメージは薄まりつつあります。
また、このエリアにはテレビ局があることから音楽関係、芸能関係のオフィスが多いことも特徴的です。

一方、青山は主要駅である青山一丁目駅周辺のエリアです。
青山一丁目駅は東京メトロ銀座線や半蔵門線、都営地下鉄大江戸線が乗り入れる駅で、近くには外苑前駅や表参道駅もあるためアクセスは良好です。
駅の周辺には海外ブランドの旗艦店や高級ブランドショップなどが建ち並び、おしゃれな街並みを形成しています。
こういった背景からアパレル・デザイン関連の企業が多く、ビルの外観もおしゃれなものが多い印象です。
赤坂と比べると中・小規模のオフィスビルが目立ちますが、近年は表参道ヒルズなどの登場により大型のオフィスビルも増えてきています。

麻布・六本木エリアについて

麻布といえば芸能人や財界人が多く住む高級住宅街として有名です。
また、外国の大使館やインターナショナルスクールが多く、国際色豊かなエリアとしても知られています。
鳥居坂や仙台坂など非常に坂が多い場所であり、この地形的な特徴によって独特の趣を持つ街並みが形成されています。

麻布エリアの主要駅は、東京メトロ大江戸線と南北線が乗り入れる麻布十番駅です。
もともと、麻布エリアはあまり交通アクセスが良くなく、以前は少し離れた六本木駅や広尾駅を利用するしかありませんでした。
しかし、2000年に麻布十番駅が開業したことでアクセスが大幅改善されました。
駅周辺は、隣接する赤坂や六本木と比べると非常に落ち着いた雰囲気で、高級感溢れる街並みが非常に印象的です。

オフィスビルはあるものの高層ビルは少なく、比較的規模の小さいオフィスのニーズが高いエリアとなっています。
六本木エリアの主要駅は、東京メトロ日比谷線と都営地下鉄大江戸線が乗り入れる六本木駅で、国内で最も深い場所にホームがあることでも有名です。
鉄道だけでなくバス路線も充実しているので交通アクセスは良好です。
六本木は、麻布とは対象的に高層ビルや大型商業施設が多いエリアとなっています。

六本木ヒルズや東京ミッドタウンに代表されるような大型複合商業ビルが目立ち、ビジネス街というイメージ以上に繁華街のイメージが強いエリアです。
とはいえ、オフィス街としての需要も非常に高いものがあり、特に外資系企業やIT企業の拠点が多くあります。
また、テレビ局があることから芸能事務所も多く見られます。
観光客も多く訪れることから六本木のブランドは非常に強いものがあり、賃貸オフィスのニーズも高めです。
それだけに賃料の相場も高めですが、非常に魅力的なエリアと言えるでしょう。

芝浦・台場エリアについて

芝浦は、東京湾に面したウォータフロントと呼ばれるエリアにあります。
主要駅は、JR京浜東北線や山手線が乗り入れる田町駅です。
近くには都営三田線・浅草線が乗り入れる三田駅やりんかい線・ゆりかもめの日の出駅、芝浦ふ頭駅もあります。

もともとは東京の流通基地として倉庫や工場が建ち並ぶエリアでしたが、近年は再開発によって海を望む眺望を最大限に堪能することができるタワーマンションが数多く建ち並ぶエリアへと変貌を遂げています。
人口の増加によっておしゃれな店舗も増え、港区でも注目度の高いエリアと言えるでしょう。
港区のほかのエリアと比べると賃料の相場が低めであることから、オフィスとしての需要も高くなっています。

以前は職住一体の小規模なオフィスが多いエリアでしたが、近年は大型オフィスビルの建設も進み、会社の規模に合わせてオフィスを選ぶことができるようになりました。
台場といえばフジテレビを連想する人も多いでしょう。
埋立地にはオフィスビルや大型商業施設が建ち並び、臨海副都心を形成しています。
台場の主要駅はりんかい線・ゆりかもめの台場駅で、駅前にはフジテレビが入っているFCGビルやヒルトン東京お台場、ダイバーシティ東京などがあります。
鉄道の利便性は良好とまでは言えませんが、バス路線が充実していて空港への直行便もあるため困ることはないでしょう。

台場は商業施設が多いイメージですが、台場フロンティアビルやトレードピアお台場など大型オフィスビルもありますし、小規模オフィスも豊富です。
比較的新しい街なのでオフィスビルの設備が新しいのも魅力の一つです。

高輪・白金エリアについて

港区の東端、品川区と隣接する高輪エリアの主要駅は品川駅です。
駅名から品川区にある駅と勘違いする人も多いですが、品川駅は港区になります。
品川駅にはJRの山手線・京浜東北線、横須賀線・東海道線が乗り入れ、さらに京浜急行の利用により羽田空港や横浜方面へもダイレクトにアクセスすることが可能です。
オフィスは駅の西側(高輪口)に多く、超高層ビルは少ないものの、企業の本社ビルや外資系の日本拠点が点在しています。

大規模な再開発事業が進行中のエリアであり、大型のオフィスビルの建設が予定されている注目のエリアでもあります。
一方、白金エリアは恵比寿や南麻布などと隣接する都内でも有数の高級住宅街です。
都心にありながら国立科学博物館付属自然教育園や八芳園の庭園など、緑が多く落ち着いた雰囲気が感じられます。

白金は交通アクセスも良好です。
主要駅は都営三田線や東京メトロ南北線が乗り入れる白金高輪駅で、麻布や六本木、大手町などへ便利に移動することができます。
一方でオフィスビルはあまり多くなく、ほとんどは士業向けの事務所など小規模なものです。
理想のオフィスを見つけるためには粘り強く探すことが必要になるかもしれません。

まとめ

港区は、日本でも屈指のビジネス街ですが、エリアによってその特徴に違いがあることがわかっていただけたと思います。
エリアによって賃料の相場も異なるので、港区でオフィスを検討しているならば、まずはエリアを決めてみてはいかがでしょうか。
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